肩こり

肩こりは、首から肩、背中にかけての筋肉がこわばり、重だるさや張りを感じる状態です。

長時間のデスクワークやスマートフォンの操作、精神的な緊張などが積み重なり、慢性的な症状に悩まされる方も少なくありません。

当院の痛み外来では、症状の経過や生活習慣を丁寧に伺ったうえで、薬物療法や神経ブロックなど、症状に応じた治療をご提案しています。

肩こりで見られる主な症状

✔ 首から肩、肩甲骨まわりが重だるく、張った感じが続く
✔ 肩や首を押すと、ズーンとした痛みや違和感がある
✔ 長時間のデスクワークのあとに、肩や首のこわばりが強まる
✔ 頭痛や吐き気を伴うことがある
✔ 腕を上げにくい、肩甲骨まわりが動かしにくいと感じる
✔ 肩のこりとともに、目の疲れやめまいを感じることがある

肩こりの主な原因

姿勢の崩れによる筋肉の緊張

頭の重さを支える首や肩の筋肉は、前かがみの姿勢が続くと余計な負担を強いられ、緊張状態が続きやすくなります。

筋肉の緊張が長引くことで血管が圧迫され、血行不良から痛みやこりにつながります。

こんな人は要注意

✔ パソコンやスマートフォンを長時間、同じ姿勢で操作する人
✔ 猫背や、片方の肩にバッグをかける習慣がある人
✔ 座り仕事が中心で、体を動かす機会が少ない人

精神的ストレスや自律神経の乱れ

緊張や心配が続くと、無意識に肩へ力が入り、首・肩まわりの筋肉がこわばることがあります。

睡眠不足や生活リズムの乱れも重なると、筋肉の疲れが抜けにくくなり、肩こりが続く要因になります。

こんな人は要注意

✔ 仕事や人間関係でのストレスを抱えやすい人
✔ 睡眠不足や不規則な生活が続いている人
✔ 休憩を取らずに作業を続けがちな人

眼精疲労

画面や細かい文字を見続けると、目のピントを調整する働きに負担がかかり、首や肩にも力が入りやすくなります。

目の疲れに加えて首を固定した姿勢が続くことで、肩まわりの張りにつながる場合があります。

こんな人は要注意

✔ パソコン作業やスマートフォンの使用時間が長い人
✔ 目の乾き、かすみ、重さを感じることが多い人
✔ 度数が合っていない眼鏡やコンタクトレンズを使っている人

肩関節や頚椎の病気によるもの

肩関節周囲炎(五十肩)や頸椎症など、肩や首の構造そのものに変化が生じている場合にも、肩こりに似た症状が現れることがあります。

肩こりが続く背景には、高血圧や更年期症状など、整形外科以外の病気や体調変化が関係する場合もあります。

こんな人は要注意

✔ 腕を上げる、背中に手を回すなどの動作で肩が痛む人
✔ 首を動かすと肩・腕の痛みや手のしびれが強くなる人
✔ これまでと異なる肩こりが続き、頭痛や動悸、ほてりなどもある人

危険な肩こりのサイン

肩こりの多くは、筋肉や姿勢に由来するものですが、まれに心臓や神経の病気が背景にある場合があります。

以下のような症状は、狭心症などの心臓疾患や頸椎の神経障害が関わっている可能性があるため、速やかな受診が必要です。

  • 胸の痛みや締め付けられる感覚を伴う肩こり
  • 腕にかけて広がるしびれや脱力を伴う肩こり
  • 安静にしていても改善しない痛みや急に強まった痛み

突然の胸痛や胸の締め付け、冷汗、息苦しさなどを伴う状態は、救急車を要請するサインです。

肩こりの診断・検査方法

痛み外来では、こりを感じる部分や継続期間、仕事・姿勢・睡眠との関係、腕のしびれや頭痛などの症状を確認します。

診察では、首と肩の動く範囲、筋肉の張り、腕や手の感覚・筋力を確認し、頚椎や肩関節の病気が考えられる場合は検査を検討します。

胸の痛みや息苦しさ、動悸などを伴うときは心臓や血管の病気も疑われるため、循環器内科など他院の受診をおすすめすることもあります。

肩こりの主な治療法

薬物療法

薬物療法では、肩や首の張り、動作時の痛みを抑え、睡眠や仕事への負担を軽くすることが目的です。

痛みが強い時期には、炎症や痛みを抑えるNSAIDs、アセトアミノフェン、筋肉の緊張を和らげる薬などを用いることがあります。

湿布などの外用薬を組み合わせ、痛む部位や日常生活への影響を考慮して治療内容を調整していく形です。

胃の不快感、眠気、ふらつきなどが現れる場合もあるため、服用後の体調変化は診察時にお伝えください。

トリガーポイント注射

トリガーポイント注射は、首・肩・肩甲骨まわりなどにある、特に強く緊張して痛みの原因となっている筋肉の部位へ注射を行う治療です。

肩こりでは、筋肉が硬くなり、押すと痛みが強く出たり、周囲へ痛みが響いたりする箇所がみられることがあります。このような痛みの引き金となる部位を「トリガーポイント」と呼びます。

トリガーポイント注射によって痛みが軽くなることで、首や肩を動かしやすくなり、ストレッチやリハビリテーションに取り組みやすくなることが期待されます。

理学療法

首から肩にかけて筋肉が緊張している場合には、温熱を利用した治療を組み合わせることがあります。

当院で導入しているキセノン光線療法は、近赤外線を含む光を照射し、皮膚の下にある組織を温める治療です。温熱刺激によって筋肉のこわばりや血流に働きかけ、肩まわりの重だるさや張りを和らげる目的で行います。

漢方薬との併用

当院では漢方外来も設けており、肩こりに冷え、むくみ、疲れやすさ、睡眠の乱れなどが重なる場合には、漢方薬の併用を検討します。

症状の出方だけでなく、体質や生活リズム、既往症、現在使用している薬を確認したうえで、処方を選びます。

漢方薬の主な使用目的は、筋肉のこわばりや痛みへの対応を補うことです。薬物療法や理学療法と組み合わせる場合があります。

症状の変化と副作用の有無を確認しながら継続の可否を判断します。

漢方で取り扱う症状・治療はこちら

その他の治療法

肩関節周囲炎や頸椎の病気による症状が強く、保存療法での改善が見込みにくい場合には、専門治療を行う医療機関をご紹介します。

胸の痛みなど心臓の病気が疑われる症状を伴う場合には、循環器内科への受診を優先していただくこともあります。

肩こりでよくあるご質問

Q1|肩こりと五十肩はどう違いますか?

A1|肩こりは首や肩の筋肉の緊張によるこりや張りが中心の症状です。五十肩は肩関節そのものに炎症が生じ、腕を上げる、後ろに回すといった動作が制限される点が異なります。

Q2|マッサージだけで肩こりは改善しますか?

A2|一時的に楽になる方もいますが、姿勢や生活習慣が変わらないまま続けると、症状を繰り返しやすくなります。原因や状態に応じた治療を検討するため、症状が長引く場合はご相談ください。

Q3|肩こりにトリガーポイント注射はどのくらいの頻度で受けられますか?

A3|症状の強さや注射後の効果、体調によって異なりますが、一般的には週1回程度を目安に行い、改善に合わせて間隔を調整します。注射部位の状態を確認しながら、ストレッチや姿勢改善なども組み合わせて再発予防を目指します。

Q4|肩こりを放置するとどうなりますか?

A4|こりや張りが慢性化し、頭痛や吐き気などを伴うことがあります。まれに背景に別の病気が隠れている場合もあるため、症状が続くときは早めの受診を検討しましょう。

Q5|トリガーポイント注射の施術は痛みを伴いますか?

A5|細い注射針を使用するため、針を刺す際にチクッとした痛みを感じることがあります。また、薬液を注入する際には、圧迫感や痛みが響くような感覚を伴う場合があります。感じ方には個人差があります。