運動中の痛みが引かず、練習や試合を思うようにこなせずお困りの方へ。
スポーツ障害は一度のケガとは異なり、同じ動作の繰り返しによって関節や筋肉、骨に少しずつ負担が蓄積して生じる慢性的な障害です。
はるみクリニックでは、競技内容や練習頻度を伺ったうえで痛みの部位を確認し、薬物療法やリハビリテーションなど、競技への復帰を見据えた治療をご提案します。
スポーツ障害とスポーツ外傷の違い
スポーツ障害
スポーツ障害とは、競技や練習での反復動作・反復負荷によって、特定の組織に微小な損傷が蓄積して生じる慢性的な障害です。
オーバーユース障害(使いすぎによる障害)とも呼ばれ、一回では損傷に至らない程度の負荷でも、休養や回復が不十分なまま繰り返されると発症します。
腱炎・腱鞘炎、腱付着部炎、疲労骨折、野球肘、ジャンパー膝などが代表的で、運動時の違和感や痛みが徐々に強くなることが特徴です。
スポーツ外傷
スポーツ外傷とは、転倒・衝突・ひねり・着地失敗などにより、単発かつ急激な外力が身体に加わって生じる急性の損傷です。
骨・靭帯・筋肉・関節などが生理的に耐えられる範囲を超える力を受けたときに起こり、骨折・脱臼・捻挫・打撲・肉離れなどが代表例です。
多くは受傷した時点が明確で、直後から痛みや腫れ、変形、動かしにくさなどが現れます。
スポーツ障害でみられる主な症状
✔ 運動中や運動後に、決まった部位が痛む
✔ 練習を休むと軽くなるが、再開すると痛みがぶり返す
✔ 患部を押すと圧痛があり、腫れや熱感を伴うこともある
✔ 関節の可動域が狭くなり、動かしにくさを感じる
✔ 痛みをかばう動きが増え、フォームが崩れてくる
スポーツ障害を引き起こす主な疾患

オスグッド病
成長期の膝下にある骨の出っ張り(脛骨粗面)に、大腿四頭筋の牽引力が繰り返し加わることで生じる痛みです。
ジャンプやダッシュを多く行う競技で、小中学生に多くみられます。
こんな方は要注意
✔ 運動時に膝下の骨の出っ張りを押すと痛む
✔ 成長期で、ジャンプ系の競技を続けている
ジャンパー膝
膝のお皿の下にある腱に、ジャンプや着地動作の負荷が積み重なり、炎症や痛みが生じる状態です。
バレーボールやバスケットボールなど、跳躍を繰り返す競技で起こりやすいとされています。
こんな方は要注意
✔ ジャンプの着地時に膝前面が痛む
✔ 練習量が急に増えた時期がある
シンスプリント
すねの内側にある骨膜に炎症が起こり、運動時や運動後にズキズキとした痛みが生じる状態です。
ランニングを中心とした種目で、練習強度が急に上がった際に起こりやすいといわれています。
こんな方は要注意
✔ 走った後、すねの内側が痛む
✔ シーズン初めに練習量を増やした
疲労骨折
骨折に至るほどではない小さな力が同じ部位に繰り返し加わり、骨に微細な損傷が蓄積した状態です。
痛みの経過が長く続く場合や、はっきりしたケガの記憶がない場合に疑われます。
こんな方は要注意
✔ 特定の動作で骨に響くような痛みがある
✔ 練習量に対して休養が不足している
テニス肘・野球肘
肘の外側や内側に、繰り返しの動作による負担が蓄積して生じる痛みです。
テニスのバックハンドや野球の投球動作など、肘をひねる・振る動きが多い競技でみられます。
こんな方は要注意
✔ ラケットやボールを持つ動作で肘が痛む
✔ 投球やスイングのたびに違和感が続く
スポーツ障害の主な原因・誘因
オーバーユース(使いすぎ)
同じ部位を酷使する練習を続けると、筋肉や腱、骨膜に疲労が蓄積し、回復が追いつかなくなります。
休養を十分にとらないまま練習量を増やした結果、痛みが発生することがあります。
柔軟性の低下とフォームの乱れ
関節や筋肉の柔軟性が低下すると、動作時に特定の部位へ負担が集中しやすくなります。フォームの乱れも、本来分散されるはずの力が一箇所に偏る要因となります。
練習環境や道具の影響
グラウンドの硬さや体格に合わないシューズの使用も、関節や骨への負担に影響する要素です。
練習環境や道具の見直しが、症状の背景を探るうえで手がかりになる場合もあります。
成長期特有の骨への負荷
成長期は骨の成長が活発な一方で、筋肉や腱の柔軟性とのバランスが崩れやすく、成長軟骨や腱の付着部に負担が集中することがあります。
こうした身体的特徴は、成長期特有のスポーツ障害の一因になると考えられています。
スポーツ障害の診断・検査方法
まずは、競技種目や練習頻度、痛みが出るタイミングや動作を確認します。
次に、患部の圧痛や腫れ、関節の可動域、筋力のバランスを確認し、負担がかかっている部位を絞り込みます。
状態に応じて画像検査が必要です。X線検査では骨の状態を確認し、疲労骨折の初期や軟部組織の損傷が疑われる場合は、MRIなどの画像検査を検討することもあります。
痛みが長く続く場合や練習を再開するたびに悪化する場合は、放置せず早めの受診をおすすめします。
スポーツ障害の主な治療法
保存療法(安静・装具・インソール)
手術を行わずに、症状の改善と組織の回復を目指す基本的な治療です。
痛みや炎症の程度に応じて練習量や運動強度を調整し、一時的な休止や代替トレーニングも視野に入れます。
サポーターや装具は、患部の動きを適切に制限して負担を減らし、日常生活や競技中の保護を目的としたものです。
足底板(インソール)は、足部・下肢の荷重バランスやアライメントを整え、特定の部位に繰り返しかかる負荷の軽減に役立つことがあります。
薬物療法
薬物療法では、痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬の内服薬や外用薬などを症状に応じて用います。
患部の痛みを和らげることで、睡眠や日常生活への支障を減らし、必要な治療やリハビリテーションに取り組みやすくすることが目的です。
薬の種類や量、使用期間は、痛みの部位・強さ、炎症の状態、年齢、既往歴、服用中の薬などを考慮して判断します。
薬物療法は、無理に練習を継続するための手段ではなく、患部への負担調整やリハビリテーションと組み合わせて行います。
トリガーポイント注射
スポーツ障害では、同じ動作の反復や痛みをかばう動きによって、筋肉に負担が蓄積することがあります。
トリガーポイント注射は、筋肉や筋膜の過度な緊張によって生じる圧痛点に薬液を注入し、局所の痛みやこわばりの軽減を図る治療です。
例えば、「特定の筋肉を押した際に強い痛みがある」「筋肉の張りによって動かしにくい、ストレッチで痛みが強く出る」といったケースで検討します。
理学療法(キセノン治療器)
当院ではリハビリ治療として、キセノン光線治療器を導入しています。キセノン放電管から発する光を患部に照射し、その温熱作用による血流の改善や痛みの緩和を図る物理療法です。
電気刺激が苦手な方でも受けやすく、温かさを感じながら治療を受けることできます。
スポーツ障害に伴う痛みや筋緊張に対しては、血流を促し、痛みの緩和を補助する目的で用いることがあります。
保存療法や薬物療法、運動療法・リハビリテーションと組み合わせて、症状や回復段階に応じて実施する形です。
手術や専門的な治療が必要な場合
治療を続けても痛みが繰り返し現れる場合や、競技動作で症状が再燃する場合には、より専門的な評価が必要です。
治癒が遷延する疲労骨折や難治性の腱障害、関節の不安定性や引っかかりを伴う症状では、競技継続や将来的な機能への影響を考慮し、手術療法を含めた専門的治療を検討する場合があります。
当院での保存的治療で対応できない場合は、症状や競技特性に応じた専門医療機関をご紹介します。
スポーツ障害でよくあるご質問
Q1|練習中の痛みは、休めば自然に治りますか?
A1|軽い痛みであれば、休養によって落ち着くこともあります。ただし、練習を再開するたびに痛みがぶり返す場合は、患部に負担が残っている可能性があるため、一度診察を受けることをおすすめします。
Q2|子どもの成長痛とスポーツ障害の違いはどこにありますか?
A2|成長痛は骨の成長に伴って一時的に生じる痛みを指すことが多い一方、オスグッド病などの成長期のスポーツ障害は、特定の動作を繰り返すことで痛みが強まる傾向があります。判断が難しい場合は、診察で状態を確認します。
Q3|痛みがあるときは、練習を完全に休むべきですか?
A3|痛みの程度によっては、患部への負担を減らしたメニューに切り替えながら練習を続けられる場合もあります。競技への影響を考慮しながら、練習内容の調整をご提案します。
Q4|テーピングやサポーターは治療の代わりになりますか?
A4|テーピングやサポーターは、患部を保護し負担を軽減する目的で使用しますが、根本的な治療の代わりにはなりません。痛みの原因を確認したうえで、他の治療と組み合わせて用います。
Q5|一度治ったスポーツ障害は再発しますか?
A5|練習環境やフォーム、筋力バランスが元の状態に戻ると、同じ部位に負担が再び集中し、症状が繰り返されることがあります。リハビリテーションを通じて、再発を防ぐための動作づくりにも取り組みます。