冷え性・むくみ

冷え性は、気温にかかわらず、手足や体の一部に冷えを感じ続ける状態を指します。

むくみを伴う方も多く、指輪や靴がきつくなるなど、日常生活のなかで違和感を覚える方もいるでしょう。

はるみクリニックでは、冷えやむくみ、痛みやしびれの状態を丁寧に伺い、病気の可能性を確認したうえで、お一人おひとりに合った治療をご提案します。

冷え性・むくみでみられる主な症状

✔ 靴下を履いても足先が冷たいと感じる
✔ 夕方になると足がパンパンに張り、靴がきつくなる
✔ 手足は温かいのに、お腹や腰まわりが冷える
✔ 入浴しても冷えが取れにくい
✔ 肩や首のこわばりとともに、頭痛やだるさを伴う
✔ 季節の変わり目や冷房の効いた部屋で症状が強まる

冷え性の主なタイプ

四肢末端型冷え性

手先や足先など、体の末端部分が集中して冷えるタイプです。

主な要因には、体温を保つための熱産生の不足や、血管の収縮が強く働きすぎること、運動不足や過度なダイエットによる影響などがあげられます。

下半身型冷え性

上半身はほてるのに、腰から下だけが冷えるタイプです。

長時間の座り仕事や下半身の筋力低下によって血流が滞りやすくなることが、要因のひとつとしてあげられます。

内臓型冷え性

手足は比較的温かいものの、お腹や腰など体の内部に冷えを感じるタイプです。

自律神経の働きやストレス、生活習慣などが関係している可能性があります。

むくみの主なタイプ

局所性のむくみ

片方の足や腕など、体の一部にだけ現れるむくみです。

長時間の立ち仕事や座り姿勢による静脈のうっ滞のほか、下肢静脈瘤やリンパの流れの障害が関わっている場合もあります。

全身性のむくみ

両足や顔など、複数の部位に同時に現れるむくみです。

心臓・腎臓・肝臓の病気や甲状腺機能の低下などが背景にあり、両足や顔を含む複数の部位にむくみが現れることがあります。

冷え性・むくみ以外に考えられる病気

下肢静脈瘤

足の静脈弁の働きが低下し、血液が逆流することで足のむくみや重だるさが生じます。長期間にわたって症状が続く場合は、専門的な検査が必要になることがあります。

深部静脈血栓症

足の静脈に血栓ができる病気で、片足の急な腫れや痛みを伴うことがあります。血栓が肺に飛ぶ肺塞栓症につながる可能性もあるため、早期の受診が求められます。

心不全・腎不全・甲状腺機能低下症

心臓や腎臓の機能低下、甲状腺ホルモンの不足などによって、全身にむくみが生じることがあります。

片足が急に腫れた場合は速やかに医療機関を受診し、突然の息苦しさや胸の痛みを伴う場合は、直ちに救急要請してください。

冷え性・むくみの主な原因・誘因

血行不良によるもの

血管が収縮したり、血液を送り出す力が弱まったりすると、手足の先まで温かい血液が届きにくくなります。

長時間同じ姿勢を続けることや、運動不足によって筋肉のポンプ機能が低下することも、血行不良につながります。

こんな人は要注意

✔ デスクワークで座りっぱなしの時間が長い人
✔ 運動する機会が少ない人

自律神経の乱れ

ストレスや不規則な生活によって自律神経の働きが乱れると、血管の収縮と拡張の調整に影響し、冷えを感じやすくなることがあります。

こんな人は要注意

✔ 慢性的なストレスを感じている人
✔ 睡眠不足や不規則な生活が続いている人

筋力低下・運動不足

ふくらはぎの筋肉は、血液を心臓へ送り返すポンプの役割を担っており、筋力が低下すると血流が滞りやすくなります。

膝や腰の痛みによって歩く機会が減っている場合は、整形外科での評価とあわせてご相談いただくこともできます。

こんな人は要注意

✔ 加齢とともに筋力の低下を感じる人
✔ 膝や腰の痛みで歩行量が減っている人

ホルモンバランスの変動

女性ホルモンの分泌量は月経周期や更年期によって変動し、血管の働きや水分の代謝に影響を与えることがあります。

こんな人は要注意

✔ 月経の前後に症状が強まる人
✔ 更年期に差し掛かっている人

冷え性・むくみの診断・検査方法

当院の痛み外来・整形外科外来では、冷えやむくみが出る場所や時間帯、痛み・しびれの有無、生活習慣などを確認します。

診察では、皮膚の色や温度、左右差、むくみの程度、関節・筋肉・神経の状態を調べ、痛みや血流の問題が関係していないかを評価する流れです。また、貧血や低たんぱくなど栄養的な問題がむくみの原因の場合もあるため、血液検査を行うこともあります。

心臓・腎臓・甲状腺の病気や血栓が疑われる場合は、検査が可能な医療機関をご紹介します。また、片足だけの急な腫れや痛み、息苦しさ、胸の痛みがある場合は、救急受診を優先してください。

冷え性・むくみの主な治療法

星状神経節ブロック(保険適応外)

星状神経節ブロックは、首の前方にある交感神経の周囲へ局所麻酔薬を注入し、頭頸部から上肢にかけての交感神経の働きに一時的に作用させる治療です。

冷えや上肢の痛み・しびれを伴う場合に、血管の収縮や筋緊張が症状に関わる可能性を踏まえ、薬物療法とあわせて検討することがあります。

冷え性やむくみに対する効果には個人差があるため、心臓・腎臓・血管などの病気が疑われる場合は原因の評価を優先します。

薬物療法

薬物療法では、痛みやしびれを伴う場合に、症状の性質に応じて鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬などを検討します。

むくみは原因によって対応が異なるため、心臓・腎臓・甲状腺の病気、静脈やリンパの異常、服用中の薬の影響などを確認したうえで処方を判断します。

体調や既往症、併用薬によって使える薬が変わるため、自己判断で市販薬や利尿薬を使用せず、診察時にご相談ください。

理学療法

キセノン光線療法は、可視光線から近赤外線を含む光を照射し、首・肩や下肢などに温熱刺激を加える物理療法です。

筋肉の緊張や局所の血流に働きかけ、冷えに伴うこわばりや痛みを和らげる補助的な方法として用いることがあります。

冷え性やむくみそのものに対する確立した治療ではないため、症状の変化と原因の評価を踏まえて併用の可否を判断します。

栄養療法

血液検査の結果で、貧血やたんぱく質不足などがみられる場合は、冷えやむくみに関係している可能性も考慮し、不足している栄養素や日常の食事内容についてご提案します。

食事だけで補いにくい場合や、検査結果・症状に応じて必要と判断した場合には、サプリメント(自由診療)をおすすめすることもあります。

栄養療法の詳しいご案内はこちら

他診療科と連携した対応

整形外科でのご相談

膝や腰の痛み、変形性関節症などによって歩行量が減ると、ふくらはぎの筋ポンプ機能が低下し、冷えやむくみが強まることがあります。

運動器の痛みが背景にあると考えられる場合は、当院の整形外科での診察とあわせてご相談いただけます。

整形外科外来で取り扱う症状・治療はこちら

漢方外来でのご相談

漢方医学では、冷えやむくみを、体質や「気・血・水」の偏りを含めて捉えます。 

当院では漢方外来もご案内しているため、冷えを感じる部位、疲れやすさ、睡眠、食事、月経などの状態をうかがい、漢方薬の処方を検討することが可能です。

痛み外来や整形外科での治療と併用する場合は、現在服用している薬や持病を確認しながら適切な対応を検討します。

漢方で取り扱う症状・治療はこちら

その他の治療法

下肢静脈瘤や深部静脈血栓症、心臓・腎臓・甲状腺の機能低下が関わっているむくみに対しては、血管外科や循環器内科、内分泌内科など専門的な医療機関での検査・治療が必要になる場合があります。

片足が突然腫れた場合は、深部静脈血栓症などの可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。突然の息苦しさや胸の痛みを伴う場合は、肺血栓塞栓症の可能性があるため、直ちに救急要請が必要です。

保存的な治療を続けても症状の改善がみられない場合には、状態に応じた医療機関をご紹介します。

冷え性・むくみでよくあるご質問

Q1|冷え性とむくみは関係がありますか?

A1|運動不足や長時間同じ姿勢を続ける生活では、下肢の静脈血が戻りにくくなり、冷えとむくみを同時に感じることがあります。ただし、むくみには心臓・腎臓の病気や静脈・リンパの異常など、冷えとは異なる原因が隠れている場合もあります。

Q2|マッサージやストレッチだけで改善しますか?

A2|病気が原因ではない一時的な症状であれば、ふくらはぎを動かすストレッチなどが症状の軽減につながる場合があります。ただし、症状が長く続く場合や片側だけが急に腫れた場合は、自己判断でマッサージをせず、速やかに医療機関を受診してください。

Q3|冷え性・むくみは何科を受診すればよいですか?

A3|冷えに痛みやしびれを伴う場合は、痛み外来でご相談いただけます。漢方薬による治療を希望される場合は漢方外来、膝や腰の痛みによる活動量の低下が背景にある場合は整形外科をご案内します。むくみが目立つ場合は、原因に応じて内科や血管外科などでの検査が必要です。

Q4|星状神経節ブロックはどのくらいの頻度で受けられますか?

A4|症状の程度や経過によって異なるため、診察のなかで頻度や回数を相談しながら決めていきます。継続して受ける場合は、体調の変化を確認しながら間隔を調整します。

Q5|片足だけが急にむくんだ場合はどうすればよいですか?

A5|片足だけに急な腫れや痛みが現れた場合は、深部静脈血栓症などの可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。息苦しさや胸の痛みを伴う場合は、直ちに救急要請してください。