腰痛には、姿勢を変えた瞬間に走る鋭い痛みから、日常的に居座るような重だるさまでさまざまな症状があります。
特に「ぎっくり腰」と呼ばれる急性腰痛や、変形性腰椎症などによる慢性腰痛は、整形外科外来でご相談の多い症状です。
はるみクリニックでは、動作時の痛みの出方を丁寧に確認したうえで、トリガーポイント注射や硬膜外ブロックといった注射治療を軸に治療計画を立てています。
こんな腰の痛みは整形外科外来へ
✔ 重い物を持ち上げた瞬間や、くしゃみをした拍子に激痛が走った
✔ 起き上がったり靴下を履いたり、姿勢を変える動作で腰が痛む
✔ 腰の重だるさや張りが長年にわたり続いている
✔ 天候の変化や長時間の同一姿勢で、腰の痛みが強まりやすい
✔ 腰の痛みとあわせて、足のしびれや張りを感じることがある
急性腰痛と慢性腰痛の違い
急性腰痛(ぎっくり腰など)
物を持ち上げる・腰をひねる・くしゃみや咳をするなどの動作をきっかけに、突然生じる強い腰痛の総称で、原因は、筋肉・関節・椎間板・靱帯の損傷などさまざまです。
発症直後は強い痛みで動けなくなることもありますが、多くは数日から数週間のうちに軽快していきます。
長引く場合や繰り返す場合には、椎間関節や靱帯など、痛みのもとになっている部位を詳しく確認します。
慢性腰痛(変形性腰椎症など)
3か月以上にわたって痛みや違和感が続く腰痛です。
代表的な原因のひとつが、加齢に伴って腰椎や椎間板がすり減り、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の変化が生じる変形性腰椎症です。
動き始めや長時間の同一姿勢で痛みが強まりやすく、天候によって症状が変動する方も少なくありません。
急性腰痛・慢性腰痛に関連する主な疾患
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
歩いていると足にしびれや痛みが広がり、前かがみで休むと軽くなる「間欠性跛行」が特徴です。
加齢に伴う椎間板や靱帯、関節の変化などによって神経の通り道である脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されることで症状が生じます。
腰椎椎間板ヘルニア
背骨の間でクッションの役割を果たす椎間板が後方へ突出し、片側の足に痛みやしびれが広がる病気です。
突出した椎間板が神経根や硬膜管を圧迫し、腰痛に加えて、お尻から太もも・ふくらはぎ・足先へ放散する痛みや感覚の異常を生じることがあります。
腰痛の主な原因・誘因
加齢による背骨の変化
年齢とともに椎間板の水分量が減少したり、椎骨の間にある関節や靱帯に変化が生じたりすると、腰椎へかかる負担が増えることがあります。
こうした変化は、腰部脊柱管狭窄症や変形性腰椎症などに関係する場合があります。
こんな方は要注意
✔ 長い距離を歩くと足のしびれや痛みが現れる方
✔ 腰を反らす姿勢や立ち続ける動作で腰がつらくなる方
姿勢や動作の癖
中腰や前かがみの姿勢を繰り返す、片側に重心をかけて座るなどの習慣は、腰椎や周囲の筋肉に同じ負担をかけ続けることがあります。
重い物を持ち上げる動作や、体をひねりながら行う作業も、腰痛のきっかけとなる場合があります。
こんな方は要注意
✔ デスクワークや運転で長時間同じ姿勢を続ける方
✔ 仕事や家事で、前かがみ・中腰の作業が多い方
筋力低下と運動不足
腹筋や背筋、臀部の筋肉は、姿勢を保ち、腰椎への負担を分散させる働きを担っています。
活動量が減って筋力や柔軟性が低下すると、日常的な動作でも腰に負担がかかりやすくなります。
こんな方は要注意
✔ 普段から歩く機会が少なく、運動習慣がない方
✔ 長期間の安静後や体調不良後に、腰の痛みが出やすい方
腰痛の主な治療法
トリガーポイント注射
トリガーポイント注射は、腰や臀部などにある、押すと強い痛みを感じる筋肉の圧痛点へ局所麻酔薬を注射する治療です。
筋肉の緊張やこわばりが関係する腰痛に対して、痛みを和らげ、体を動かしやすくすることを目的に行います。
効果の現れ方や持続期間には個人差があるため、処置後の状態を確認しながら、リハビリテーションなどの併用を検討します。
硬膜外ブロック
硬膜外ブロックは、脊髄を覆う硬膜の外側にある硬膜外腔へ局所麻酔薬などを注入し、神経に関連する痛みを抑える治療です。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などによる腰痛、臀部から足にかけての痛み・しびれに対して検討されることがあります。
感染、出血、血圧低下、足の脱力感などが起こる可能性もあるため、症状や服薬状況を確認したうえで実施します。
理学療法(キセノン治療器)
当院ではリハビリ治療として、キセノン治療器を導入しています。身体に浸透しやすい近赤外線を利用して、痛みのある部位を深部から温める光治療です。
腰痛に伴う筋肉の緊張や局所の循環低下に働きかけ、痛みの緩和と腰の動かしやすさの改善を目指します。
診察で痛みの原因や神経症状の有無を確認したうえで、必要に応じて内服、注射、運動などとあわせて実施します。
手術や専門的な治療が必要な場合
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアで、歩行障害や排尿・排便の障害が進む場合には、手術を含めた専門的な治療を検討します。
保存的な治療を一定期間続けても症状の改善が乏しいときは、脊椎専門の医療機関をご紹介することもあります。
腰痛を防ぐための日常生活の工夫
日常生活での体の使い方を見直し、腰への負担を減らしていきましょう。
✔ 物を持ち上げるときは、体に近づけてから膝を曲げて持つ
✔ 座るときは深く腰かけ、骨盤を立てた姿勢を意識する
✔ 長時間の運転やデスクワークでは、1時間に一度は立ち上がって体を動かす
✔ 就寝時は膝を軽く曲げた姿勢をとり、腰への負担を分散させる
✔ コルセットは腰痛が強い時期の使用にとどめ、長期間の常用は避ける
痛みが強い時期に無理に体を動かすと症状が悪化する場合もあるため、医師やスタッフのアドバイスを受けながら習慣をつけていきましょう。
腰痛でよくあるご質問
Q1|ぎっくり腰になったら、安静にしたほうがよいですか?
A1|長期間の安静は筋力低下につながるため、痛みが強い時期を過ぎたら、無理のない範囲で体を動かすことがすすめられています。過度に安静を続けるより、日常生活へ徐々に戻るほうが回復に適しているとされています。
Q2|慢性腰痛はどのくらいで治りますか?
A2|原因や進行度によって経過は異なります。加齢による変化が背景にある場合は、痛みと付き合いながら生活の質を保てるよう、治療と生活指導を並行して行います。
Q3|トリガーポイント注射はどのような痛みに向いていますか?
A3|筋肉のこわばりや圧痛が明確な腰痛に向いています。診察で圧痛点を確認したうえで、注射の適応を判断します。
Q4|足のしびれがあるのですが、腰痛と関係がありますか?
A4|足のしびれを伴う腰痛には、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど、神経が関わる病気が背景にある場合があります。症状の広がり方によって考えられる病気が異なるため、診察のなかで確認します。
Q5|硬膜外ブロックは1回で効果がありますか?
A5|症状の程度や経過によって、効果の出方や持続期間には差があります。経過をみながら、間隔をあけて繰り返す場合もあります。