片頭痛

片頭痛は、こめかみを中心に「ズキズキ」と脈打つような痛みが繰り返される一次性頭痛です。

吐き気や光・音への過敏さを伴うことがあり、家事や仕事を中断せざるを得ないほどの痛みに悩まされる方もいます。

はるみクリニックの痛み外来では、痛みが起こる頻度や持続時間、日常生活への影響を確認し、薬物療法や神経ブロックなどの治療を行っております。

片頭痛が疑われる症状

✔ 頭の片側がズキズキと脈打つように痛む
✔ 体を動かしたり、階段を上ったりすると痛みが強まる
✔ 頭痛と一緒に、吐き気やめまいを感じる
✔ 光や音、においに敏感になり、暗い部屋で休みたくなる
✔ 頭痛の前に、視界にギザギザした光やちらつきが見える
✔ 月経の前後や、寝不足・寝すぎのタイミングで頭痛が起こりやすい

片頭痛の主なタイプ

前兆のない片頭痛

片頭痛の中でも多くみられるタイプで、前兆を伴わず、片側または両側に拍動性の痛みが4時間から72時間ほど続きます。

体を動かすと痛みが強まりやすく、吐き気や光・音への過敏さを伴うことがあります。

前兆のある片頭痛

視界の一部が「ギザギザ」と光って見える閃輝暗点など、通常5〜60分ほど続く前兆が現れ、前兆の出現中または終了後60分以内に頭痛が始まるタイプです。

視覚症状の前兆に加えて、手足のしびれや言葉の出しにくさも併発することがあります。

慢性片頭痛

月に15日以上の頭痛が3か月を超えて続き、そのうち月に8日以上で片頭痛の特徴を認める状態を指します。

軽い頭痛が続く合間に、本来の片頭痛発作が混在することもあり、発作頻度の高さから生活の質への影響も大きくなりやすいタイプです。

片頭痛以外の一次性頭痛

緊張型頭痛

頭全体を締め付けられるような圧迫感が続くタイプの頭痛で、一次性頭痛の中でも発症頻度が高いとされています。

痛みの程度は軽度から中等度にとどまりやすく、日常動作が大きく制限されにくい点が片頭痛との違いです。

首や肩の筋肉のこわばりや、長時間同じ姿勢を続ける習慣が関わっていると考えられています。

群発頭痛

片方の目の奥やこめかみに、えぐられるような激しい痛みが続くタイプの頭痛です。

発作が起こると15分から3時間ほど痛みが続く傾向にあり、一定期間、毎日同じ時間帯に発作が起こるケースもあります。

また、頭痛に加えて涙や鼻水、目の充血などの症状が現れることもあります。

片頭痛の主な原因・誘因

ホルモンバランスの変動

女性ホルモンの変動によって片頭痛が生じることがあり、月経周期に合わせて発作が起こりやすくなる方もいます。

こんな人は要注意

✔ 月経の前後に頭痛が起こりやすい人
✔ 妊娠や更年期などでホルモンバランスが変化している人

生活リズムの乱れ

日常生活では、睡眠不足や寝すぎ、疲労の蓄積、緊張がゆるんだ瞬間などに片頭痛が生じることがあります。

こんな人は要注意

✔ 休日に寝だめをする習慣がある人
✔ 平日と休日で就寝・起床時間の差が大きい人

食品・環境からの刺激

チョコレートやチーズ、赤ワインなど特定の食品、強い光、におい、気圧の変化なども発作のきっかけになる場合があります。

こんな人は要注意

✔ 天候や気圧の変化で頭痛が出やすい人
✔ 特定の食品を摂ったあとに頭痛が起こりやすい人

片頭痛の診断・検査方法

診察では、頭痛が起きる部位や痛み方、発作の頻度、続く時間、吐き気や光・音への過敏さ、前兆の有無を確認します。

さらに、手足のしびれや脱力、視野の異常などがないかを診察。典型的な片頭痛と異なる経過では二次性頭痛を除外するための検査を行うことがあります。

頭痛が起きた日時や症状、睡眠・月経・食事などの状況を記録しておくと、発作の傾向や治療の選択肢を絞りやすくなります。

突然起こる非常に強い頭痛、麻痺やろれつの回りにくさ、意識の変化を伴う場合は、くも膜下出血や脳卒中などの可能性もあるため、救急受診が必要です。

片頭痛の主な治療法(痛み外来)

薬物療法

薬物療法では、発作の頻度や既往症、併用薬、副作用の出方を踏まえて、薬の種類や処方量を調整します。

発作が起きた際は、痛みの程度や吐き気の有無に合わせて、以下の薬を使い分けます。

  • アセトアミノフェン
  • NSAIDs
  • トリプタン製剤
  • CGRP受容体拮抗薬(ゲパント系薬剤)

頭痛が月に複数回あり、日常生活への支障が大きい場合は、カルシウム拮抗薬や抗てんかん薬、CGRP関連薬など予防療法として用いることもあります。

早い段階で発作に対応することで、頭痛による仕事や家事への影響を抑えることが期待されます。

星状神経節ブロック

星状神経節ブロックは、首の前方にある交感神経の周囲へ局所麻酔薬を注入する治療です。

頭痛に首・肩の強いこわばりや痛みを伴う場合、薬物療法を補う方法として検討することがあります。

後頭部から首すじに痛みが広がるときには、後頭神経の近くに薬液を注入する後頭神経ブロックを選ぶ場合もあります。

頭痛の特徴や圧痛の部位、これまでの治療への反応を踏まえて治療計画を立てることが重要です。

理学療法

首や肩の筋肉の緊張が強い場合には、薬物療法や神経ブロックに物理療法を組み合わせることがあります。

当院で導入しているキセノン光線療法は、可視光線から近赤外線を含む光を照射し、温熱刺激を患部に加える治療です。首・肩まわりのこわばりや不快感の軽減を図り、頭痛に伴う頸部症状へ補助的に対応します。

片頭痛そのものへの標準治療ではないため、発作の頻度や症状の変化を確認したうえで併用の可否を判断します。

その他の治療法(痛み外来以外)

抗CGRP抗体薬の在宅自己注射の導入や、難治性の頭痛に対する専門的な検査は、脳神経内科など専門的な医療機関での対応が必要になる場合があります。

突然の激しい頭痛や意識障害、麻痺などを伴う場合は、二次性頭痛の可能性を考え、救急外来への受診を優先していただくのが望ましいです。

保存的な治療を続けても改善がみられない場合には、症状に応じた医療機関をご紹介します。

痛み外来ならではの片頭痛ケア

当院の痛み外来では、薬物療法や神経ブロックに加えて、体質や生活習慣を踏まえたケアも取り入れています。

冷えや自律神経の乱れなど、頭痛の背景にある体質面へのアプローチとして漢方薬を併用することもあります。

片頭痛でよくあるご質問

Q1|片頭痛と緊張型頭痛はどう見分けますか?

A1|片頭痛は拍動性の痛みで、体を動かすと悪化しやすく、吐き気や光への過敏さを伴いやすい頭痛です。緊張型頭痛は締め付けられるような痛みで、日常生活の動作が大きく制限されにくい点が異なります。

Q2|頭痛薬は飲み続けても問題ありませんか?

A2|頭痛薬を過度に使用すると、薬剤の種類によっては薬物使用過多による頭痛につながる場合があります。

使用過多の目安は、トリプタン製剤や複合鎮痛薬などでは月10日以上、アセトアミノフェンやNSAIDsなどの単一成分の鎮痛薬では月15日以上の使用が3か月を超えて続く状態です。使用頻度が増えてきたと感じたら、早めにご相談ください。

Q3|片頭痛の前兆とはどのような症状ですか?

A3|視界の一部がギザギザと光って見えたり、一部が欠けて見えたりする閃輝暗点が代表的な前兆です。通常は5〜60分ほど続き、手足のしびれや言葉の出しにくさとして現れることもあります。

Q4|片頭痛は市販薬だけで対処できますか?

A4|軽度の発作であれば市販薬で対応できる場合もありますが、発作が頻回に起こる場合や、市販薬の効果が乏しい場合には、原因や状態に応じた治療を検討するため受診をおすすめします。

Q5|神経ブロックの施術は痛みを伴いますか?

A5|局所麻酔薬を使用して細い注射針を刺しますので、チクッとした感覚を伴うことがあります。また、薬液を注入する際に圧迫感を伴うことがありますが、感じ方には個人差があります。