膝の痛みは何科?症状別の選び方と主な治療法を紹介

膝が痛いとき、「何科を受診すればよいのか」「この程度の痛みで受診してよいのか」と迷う方もいるのではないでしょうか。

膝の痛みは、加齢に伴う関節の変化、運動や転倒によるけが、炎症性の病気など、原因によって相談先が異なります。

この記事では、膝の痛みで相談できる主な診療科と、症状・経過に応じた受診先の考え方をわかりやすく紹介します。

膝の痛みで候補になる4つの診療科

膝の痛みは、どのような原因か、どのような症状かによって相談先をしぼることができます。

まずは、代表的な相談先となる4つの候補を見ていきましょう。

整形外科

整形外科は、骨・軟骨・半月板・靱帯・筋肉・腱など、膝関節を構成する運動器の病気やけがを専門に診る診療科です。

「動くと痛い」「膝が腫れる」「曲げ伸ばしがしにくい」「転倒やスポーツの後から痛む」といったときの一般的な相談先となります。

診察後は、必要に応じてX線検査やMRI、超音波検査を行い、薬物療法や装具、リハビリテーション、手術などを検討します。

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リウマチ科

リウマチ科では、免疫の異常によって関節に炎症が起こる関節リウマチなどを専門的に扱います。

「朝のこわばりが続く」「手指や足の関節も同時に腫れる」「左右の関節に似た症状がある」といった場合は、リウマチ科への相談が候補です。

血液検査や画像検査を組み合わせ、炎症の程度や関節への影響を評価し、薬物療法を中心に治療方針を検討します。

内科

内科は、発熱や強い倦怠感、急な関節の腫れなど、膝以外の全身症状を伴う場合に選択肢にあがります。

痛風や感染症、代謝性の病気などが関与する膝の痛みでは、血液検査や全身状態の確認が診断の手がかりになります。

高熱や赤み、強い熱感、急速に悪化する腫れがある場合は、関節の感染も含めて早急な受診が必要です。

痛み外来(ペインクリニック)

痛み外来は、痛みの軽減と日常生活への影響の改善を目的に、薬物療法や神経ブロックなどを検討する診療科です。

整形外科で原因を評価・治療していても痛みが残る場合や、慢性化した痛みによって睡眠・歩行・仕事などへ支障が出ている場合に相談先となります。

ただし、骨折や感染症、関節リウマチなど原因疾患の評価が不十分な段階では、まず整形外科や内科などで原因を確認することが大切です。

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症状別で考える診療科の選び方

痛みの部位だけでなく、腫れ・熱感・こわばり・外傷の有無・痛みの継続期間を確認すると、受診先を検討しやすくなります。

膝の腫れがある場合は整形外科へ

転倒やひねりの後に膝が腫れた場合は、打撲、骨折、靱帯損傷、半月板損傷などのけがを確認するため、整形外科を受診するのが一般的です。

「膝に水がたまる」「曲げ伸ばしがしにくい」「体重をかけると痛む」といった症状も、関節内の損傷や炎症を評価する手がかりになります。

整形外科では、診察やX線検査を行い、必要に応じてMRIなどを用いて骨・半月板・靱帯・軟骨の状態を確認します。

歩行が難しいほどの痛み、明らかな変形、急速な腫れがあるときは、早めに医療機関を受診してください。

膝の熱感がある場合は内科・整形外科へ

膝が赤く熱をもち、安静にしていても強く痛む場合は、痛風などの結晶による関節炎や感染性関節炎を含む強い炎症を確認する必要があります。

発熱、悪寒、強いだるさを伴う場合は、全身の状態を評価するため、内科または整形外科へ速やかに相談しましょう。

感染性関節炎が疑われる場合には、血液検査や関節液の検査などを行い、原因を確認したうえで治療方針を決めます。

膝の痛み・腫れ・熱感が急速に強くなる場合や、高熱がある場合は、自己判断で様子を見ず、当日中の受診を検討してください。

朝のこわばりが続く場合はリウマチ科へ

朝に膝や手指が動かしにくく、こわばりが長く続く場合は、関節リウマチなどの炎症性疾患が疑われるため、リウマチ科または整形外科で相談するのが望ましいです。

関節リウマチでは、膝だけでなく手指、手首、足趾など複数の関節に、腫れや痛みがみられることがあります。

「左右の関節に似た症状が出る」「休んでいても痛い」「全身の疲れやすさが続く」といった場合も、受診時に医師へ伝えましょう。

治療後も痛みが残る場合は痛み外来へ

原因疾患に対する治療を受けていても痛みが続く場合は、痛みの性質や慢性化の程度を改めて評価する必要があり、痛み外来への相談が選択肢となります。

痛み外来では、一般的な鎮痛薬に加え、神経の痛みに作用する薬や神経ブロックなどを用いて、痛みの緩和を図る治療が検討されます。

痛みの強さだけでなく、歩行距離、睡眠、仕事・家事への影響を記録しておくと、治療方針を立てる際に役立ちます。

ただし、痛みの原因が変化している可能性もあるため、整形外科の主治医と連携しながら受診先を選ぶことが重要です。

子どもの膝の痛みは小児科・整形外科へ

子どもの膝の痛みは、けがや運動との関連が明確な場合は整形外科、発熱や全身症状を伴う場合は小児科または整形外科に相談しましょう。

運動による負担や打撲・捻挫、成長期にみられる症状など、子どもの膝の痛みにはさまざまな原因が考えられます。

一方で、発熱や関節の腫れ、歩きにくさ、夜間に強くなる痛みなどがある場合には、感染症や炎症性疾患なども確認が必要です。

痛みを理由に歩き方が変わった、体重をかけられない、症状が繰り返される場合は、早めの受診が望まれます。

早めの受診が望ましい膝の痛みや異常

膝の痛みの緊急性は、痛みの強さだけでなく、発症の仕方、腫れ・熱感、歩行の可否、発熱などを含めて判断しましょう。

急な強い痛みや腫れは、骨・靱帯・半月板の損傷、炎症、感染症などの可能性があるため、早めに医療機関へ相談してください。

  • 体重をかけられない、歩行が困難である
  • 膝が急に大きく腫れた、赤く熱をもっている
  • 転倒や衝突、ひねりの後から強く痛む
  • 発熱、悪寒、強い倦怠感を伴っている
  • 膝が引っかかる、ロックして伸ばせない
  • しびれ、足の冷たさ、色の変化がある

特に高熱を伴う関節の腫れや、外傷後に立てないほどの痛みがある場合は、受診を急ぐ必要があります。

膝の痛みで考えられる主な原因と治療法

膝の痛みは、関節そのものの変化、外傷、炎症性疾患、運動による繰り返しの負荷など、複数の要因で生じます。

ここでは、膝の痛みで考えられる主な原因と治療法を紹介します。

変形性膝関節症(関節痛)

変形性膝関節症は、関節軟骨の変化や半月板の変性などにより、膝の痛みや腫れ、水がたまる症状がみられる病気です。

立ち上がりや歩き始め、階段の昇降で痛みが出やすく、進行すると安静時にも痛みを感じたり、膝の変形や動かしにくさが現れたりすることがあります。

膝の痛みが続く場合は整形外科で診察を受け、症状と画像検査の結果を踏まえて評価してもらいましょう。

主な治療法

運動療法や薬物療法、物理療法、装具療法などの保存的治療が検討されます。

痛みや機能障害が強く、保存的治療で十分な改善が得られない場合には、手術が選択肢となることがあります。

▶変形性膝関節症(関節痛)の特徴と主な治療法を詳しく見る

関節リウマチ・痛風

関節リウマチは、免疫の異常によって関節の炎症が続く病気です。朝のこわばり、複数の関節の腫れや痛みがみられることがあります。

痛風では尿酸の結晶による急性の関節炎が起こり、急な強い痛み、赤み、腫れ、熱感を伴う場合があります。

膝に急な炎症が起きた場合や、ほかの関節にも症状がある場合は、リウマチ科、内科、整形外科での評価が必要です。

主な治療法

関節リウマチでは、炎症を抑え関節への影響を抑制する薬物療法を中心に、病状に応じた治療計画を立てます。

痛風では急性炎症への対応に加えて、再発予防のため生活習慣や尿酸値を含めた全身管理を行うことがあります。

半月板損傷

半月板損傷は、膝をひねった際のけがや、加齢に伴う半月板の変性などを背景に起こります。

膝の内側または外側の痛み、腫れ、曲げ伸ばしのしにくさ、膝が引っかかる感じや動かなくなる「ロッキング」などが症状としてみられます。

スポーツ中の受傷後や、膝の引っかかり・ロッキングがある場合は、整形外科で画像検査を含めた診察を受けることが重要です。

主な治療法

症状が軽い場合は、安静、鎮痛薬、装具、リハビリテーションなどの保存的治療が検討されます。

痛みやロッキングが続く場合、損傷の状態によっては関節鏡を用いた手術が選択肢となることがあります。

骨折・打撲・捻挫

転倒や衝突、ひねりなどの後に膝が強く痛む場合は、骨折、打撲、靱帯損傷、捻挫などの外傷が考えられます。

腫れ、内出血、体重をかけられない、膝が不安定に感じる、変形して見えるといった症状があれば、軽いけがと決めつけないことが大切です。

受傷後の膝痛は整形外科で評価し、必要に応じてX線やMRIなどの検査を受けましょう。

主な治療法

損傷した部位や程度に応じて、固定、安静、鎮痛薬、装具、リハビリテーションなどを組み合わせます。

骨折や重度の靱帯損傷、関節の不安定性が強い場合には、手術を検討することがあります。

▶骨折・打撲・捻挫の特徴と主な治療法を詳しく見る

スポーツ障害

ジャンプ、ダッシュ、急な方向転換、反復する屈伸などは、膝の腱、靱帯、半月板、軟骨に負担をかけることがあります。

運動中または運動後に痛みが出る、同じ動作で繰り返し痛む、休むと改善して再開すると再発する場合は、スポーツ障害が疑われます。

痛みを抱えたまま競技を続けると損傷が広がる可能性があるため、整形外科やスポーツ整形外科で原因を確認することが望ましいです。

主な治療法

競技や運動量を一時的に調整し、痛みの原因となる動作やフォーム、身体の使い方を見直します。

リハビリテーションでは、柔軟性、筋力、関節の安定性を評価し、段階的な復帰を目指すことがあります。

▶スポーツ障害の特徴と主な治療法を詳しく見る

膝の痛みで受診先を選ぶポイント

診療科名だけで判断するのではなく、症状に対応できる専門性や検査・治療体制を確認すると、受診後の流れを考えやすくなります。

ここでは、膝の痛みで受診先を選ぶ際に、参考になるポイントを紹介します。

専門外来の有無

膝関節外来、スポーツ整形外科、リウマチ外来、ペインクリニックなど、症状に関連する専門外来がある医療機関では、専門的な評価を受けられる場合があります。

例えば、スポーツによる受傷が疑われる場合はスポーツ整形外科、慢性的な痛みが課題となっている場合は痛み外来が相談先になります。

ただし、専門外来の名称や対応範囲は医療機関によって異なるため、予約前に対象となる症状や紹介状の要否を確認してください。

受診先に迷う場合は、まず整形外科で原因の評価を受け、必要に応じて適切な専門科へ紹介してもらう方法もあります。

画像検査の設備

骨の形や関節の変化を確認するX線検査は、変形性膝関節症や骨折などの評価に役立ちます。

半月板、靱帯、軟骨などの軟部組織の損傷が疑われる場合は、MRIが必要になることがあるため、医療機関の公式サイトや問い合わせで対応の可否を確認しましょう。

すべての医療機関にMRIが設置されているわけではありませんが、必要に応じて検査が可能な医療機関へ紹介されるケースもあります。

画像検査だけで診断が確定するわけではないため、診察所見や痛みの経過とあわせて医師が総合的に判断します。

膝の痛みで受診する前に準備しておきたいこと

診察では、痛みが起きた経緯や日常生活への影響を具体的に伝えることで、原因の評価や検査・治療方針の検討につながりやすくなります。

受診前にメモにまとめておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 痛みが始まった時期ときっかけ
  • 痛む場所、痛みの強さ、続く時間
  • 痛みが強まる・和らぐ動作や時間帯
  • 腫れ、熱感、赤み、しびれ、歩きにくさの有無
  • 受傷時の状況や、運動・仕事との関係
  • お薬手帳、服用中の薬、市販薬・サプリメント
  • 他院で受けた検査結果、画像データ、紹介状
  • 腫れや変形がわかる写真、経過を記したメモ

保険証またはマイナ保険証などの必要書類も確認し、歩行がつらい場合は付き添いや移動手段を事前に検討したうえで受診しましょう。

まとめ

膝の痛みで何科を受診するか迷う場合は、骨・関節・靱帯・半月板を幅広く評価できる整形外科への相談から検討しましょう。

朝のこわばりや複数関節の腫れがあればリウマチ科、発熱や急な炎症があれば内科、治療後も痛みが続く場合は痛み外来も選択肢に入ります。

「はるみクリニック」は、痛み外来(ペインクリニック)を専門としながら、症状に応じて整形外科での診療・治療にも対応しています。

膝の痛みが関節の変化によるものか、けがや使いすぎによるものか、それ以外に原因があるかを確認し、薬物療法や注射治療、リハビリテーションなどを組み合わせた治療をご提案します

いつまでも治らない痛み、どこに相談してよいかわからない痛みでお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。