「ふくらはぎがジンジンとしびれる」「夕方になると重だるくて仕方がない」
こんな違和感があるものの、疲れや年齢のせいだと考えて放っておいていませんか?
ふくらはぎのしびれやだるさは、腰の神経が圧迫されて起こることもあれば、足の血管や全身の病気が関係している場合もあります。
特に、しびれに加えて足に力が入りにくい、歩くと症状が強くなる、感覚が鈍いといった変化がある場合は注意しましょう。
この記事では、ふくらはぎのしびれ・だるさが起こる原因や考えられる疾患、受診の目安、整形外科で行う検査・治療などについて解説します。
ふくらはぎのしびれ・だるさの症状とは

ふくらはぎの「しびれ」といっても症状は人によって変わり、主に外部刺激とは関係なく刺激を感じる「異常感覚」、触った感覚などが鈍くなる「感覚低下」、足に力が入りにくくなる「運動麻痺」の3つがあります。
症状のタイプは原因を絞り込む手がかりになるため、受診の際は「いつから」「どこが」「どんなふうに」をメモなどしておくと診察時にスムーズです。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 運動麻痺 | 足に力が入りにくい、思うように動かしにくいなど、運動機能に異常が生じている状態 |
| 異常感覚 | 安静にしていてもジンジン・ビリビリ・チクチクする、焼けるように感じるなど、本来ないはずの感覚が生じる状態 |
| 感覚低下 | 触られた感覚が鈍い、熱さや冷たさ、痛みなどを感じにくくなっている状態 |
ふくらはぎのしびれ・だるさが起こる主な原因

ふくらはぎのしびれやだるさには、神経の圧迫をはじめ、血流障害、全身性疾患、外傷(ケガ)、筋肉への負担など、さまざまな原因が考えられます。
例えば、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアでは、腰から足へ伸びる神経が圧迫されることで、ふくらはぎまでしびれや痛みが広がることがあります。
| 主な原因 | 特徴 |
|---|---|
| 神経の圧迫 | 腰椎や末梢神経などが圧迫されることで、ふくらはぎにしびれや痛み、力の入りにくさなどが現れる |
| 血流障害 | 足へ流れる血液が不足したり、静脈の血流が滞ったりすることで、しびれ・だるさ・痛み・むくみなどが生じることがある |
| 全身性疾患の影響 | 糖尿病による末梢神経障害など、全身に影響する疾患によって足のしびれが現れることがある |
| 外傷・損傷 | 転倒や打撲、スポーツなどによって筋肉・骨・神経などが損傷し、痛みや腫れ、しびれを生じる場合がある |
| 筋肉の疲労・緊張 | 長時間の立ち仕事や運動などでふくらはぎの筋肉に負担がかかることで、しびれや重だるさ、張りを感じることがある |
ふくらはぎのしびれ・だるさ・痛みなどを引き起こす疾患

ふくらはぎのしびれやだるさ、痛みを引き起こす疾患にはさまざまなものがあります。
腰から足へ伸びる神経が圧迫される脊椎疾患のほか、末梢神経の障害、下肢の血流障害、糖尿病などの内科的疾患が原因になり、ふくらはぎにしびれが出ている可能性も考えられるでしょう。
ここからは、原因となる主な疾患・状態を4つに分けて解説します。
脊椎・神経根に原因がある疾患・状態
腰椎には、下肢の感覚や運動に関係する神経が通っています。
腰椎の変形や椎間板の突出などによって神経根や馬尾(足の方向へ伸びている多数の神経根の束)が圧迫・刺激されると、ふくらはぎや腰、お尻、太もも、足先などに痛みやしびれが現れることがあります。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間でクッションの役割を果たす椎間板の一部が突出し、神経を圧迫する疾患です。
腰やお尻の痛みに加え、片側の太ももやふくらはぎ、足先などにしびれ・痛みが広がることがあります。
脊椎疾患の中でも多く見られ、腰痛はない場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症
加齢などによって脊柱管(神経が通る管)が狭くなり、馬尾や神経根が圧迫されることで起こるのが、腰部脊柱管狭窄症です。
高齢の方のしびれや歩行障害の原因として多く見られる疾患で、立ったり歩いたりするとしびれや痛みが出るものの、休むと回復する「間欠性跛行」が特徴です。
進行すると排尿や排便障害が起こることもあります。
腰椎すべり症
腰椎すべり症は、腰椎が本来の位置から前後にずれてしまう疾患です。
代表的な「腰椎変性すべり症」は、加齢に伴う組織の変化が原因でずれが生じるもので、中高年の女性に多く見られます。
若い方ではスポーツなどによって「腰椎分離症(分離すべり症)」が起こることもあります。
ふくらはぎや足、太もものしびれ、腰痛、下肢の脱力感、歩きにくさなどの症状が見られます。
椎間板変性症
加齢や重いものを持つなどの負担によって椎間板が変性を起こすと、椎間板変性症が引き起こされることがあります。
代表的な症状は腰痛ですが、進行すると神経を圧迫して足のしびれ、感覚の鈍さなどが起こることがあります。
坐骨神経痛
坐骨神経痛は病名ではなく、腰からお尻、太もも、ふくらはぎなど下肢に生じるしびれ・痛みなどの症状の総称です。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などが代表的な原因です。
片側の足だけに現れるケースが多いですが、両側に起こることもあります。
末梢神経に原因がある疾患
末梢神経とは中枢神経から枝分かれして、手足など全身の隅々まで伸びている神経のことです。
末梢神経が圧迫されたり損傷したりすると、その神経が支配する範囲にしびれや感覚低下、筋力低下などが現れることがあります。
梨状筋症候群
お尻の深部にある梨状筋周辺で坐骨神経が刺激・圧迫されることで、痛みやしびれが生じる状態を梨状筋症候群といいます。
お尻・太もも・ふくらはぎなどにしびれや痛みが広がることがあり、長時間座りっぱなしでいると症状が悪化することがあります。
総腓骨神経麻痺
総腓骨神経麻痺は、総腓骨神経(膝の外側にある腓骨頭付近を通る神経)が圧迫・損傷されることで生じます。
下腿の外側から足の甲、足の指にかけてしびれたり、触った感覚が鈍くなったりするほか、足首やつま先を上に持ち上げる筋力が弱まって、歩く時に足が引っかかる「下垂足」が特徴です。
長時間同じ姿勢を取った場合やギプスによる圧迫、外傷などが主な原因です。
足根管症候群
足根管症候群は、足首の内側にある「足根管」と呼ばれる狭い通路内で、後脛骨神経が圧迫されて起こる末梢神経障害です。
足裏や足の指のしびれ、灼熱感、痛み、脱力感などが見られ、ふくらはぎに放散痛が起こることもあります。
血管に原因がある疾患
下肢の血管の血流障害が原因で、ふくらはぎの痛みやだるさが起こることもあります。
片脚が突然腫れた、強い痛みがある、皮膚の色が変わったといった症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
| 疾患 | 主な特徴 |
|---|---|
| 閉塞性動脈硬化症 | 動脈硬化によって下肢への血流が不足する。歩くとふくらはぎなどが痛み、休むと改善する間欠性跛行や、足の冷たさなどが現れることがある |
| 下肢静脈瘤 | 下肢の静脈に血液が滞ることで、血管がボコボコ浮き出る、足のだるさ・重さ・むくみ・こむら返りなどが生じることがある |
| 深部静脈血栓症 | 下肢の深い静脈に血栓ができる疾患。片脚の急な腫れ・痛み・皮膚の変色が見られる |
内科的疾患が原因の疾患・状態
全身性疾患(糖尿病など)やビタミン欠乏でも、ふくらはぎや足にしびれが現れることがあります。
| 疾患・状態 | 主な特徴 |
|---|---|
| 糖尿病性神経障害 | 高血糖が続くことで末梢神経が障害され、手足にしびれ、冷え、こむら返りなどが現れることがある |
| ビタミン欠乏 | ビタミンB1やB12などが欠乏することで末梢神経などに障害が生じ、手足のしびれや感覚異常、めまい、疲労感などが現れることがある |
ふくらはぎのしびれ・だるさでクリニックを受診する目安

ふくらはぎのしびれ・だるさがあるとき、クリニックを受診すべきか迷う方も多いでしょう。
ここでは、受診の目安を紹介します。
受診の目安
以下に当てはまる場合は、整形外科への受診を検討しましょう。
- しびれやだるさが数日経っても改善しない
- 何度も繰り返す
- 症状が悪化している
- 日常生活や歩行に支障が出ている
危険な症状のサイン
ふくらはぎのしびれに加えて、以下のような症状がある場合は危険な症状の可能性があるため放置せず、すぐに医療機関を受診してください。
- 触っても感覚が鈍い、砂利の上を歩くような妙な感覚がある
- 激しい痛み・急激なむくみや腫れ
- 皮膚の色の変化(赤紫色や暗い紫色になるなど)
- 発熱
ふくらはぎのしびれ・だるさのクリニックでの診断・検査方法

クリニックでは、医師による診察(問診・視診・触診)に加え、必要に応じて画像検査などを行ってふくらはぎのしびれやだるさ、痛みなどの症状の原因を調べます。
レントゲンや超音波検査のほか、血液検査やMRI検査などを行うこともあります。
ふくらはぎのしびれ・だるさの整形外科での治療法

整形外科でのふくらはぎのしびれ・だるさの治療は、手術をせずに症状の軽減と生活の質の回復を目指す「保存療法(理学療法・薬物治療・ブロック注射)」が基本です。
ここでは、整形外科で行う代表的な治療法を紹介します。
理学療法(ストレッチ・運動などリハビリ)
理学療法では、ストレッチや筋力トレーニングなどを行う「運動療法」や、電気療法や温熱療法などによって血流や筋肉のこわばりに働きかける「物理療法」を行います。
痛みがある場合は、コルセットを着用して負担を軽減しながら行うこともあります。
薬物治療
しびれや痛みの原因・程度に応じて、薬による治療を行うこともあります。
炎症や痛みに対する鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)や神経障害性疼痛治療薬、血流改善薬、ビタミン剤のほか、湿布も用いられます。
ブロック注射
しびれのほか、痛みがつらい場合は、痛みに関係する神経の周囲に麻酔を直接注入するブロック注射を行うこともあります。
痛みが軽くなると、筋肉の緊張が緩和され、血行が良くなる効果が期待できます。
手術
保存療法を続けても改善が見られない場合や症状が強い場合、排尿・排便障害などが見られる場合は手術が検討されることもあります。
はるみクリニックでは保存療法を中心に治療し、手術が必要と判断された場合には連携する医療機関を紹介しています。
ふくらはぎのしびれ・だるさの緩和・予防法

ふくらはぎのしびれ・だるさなどの悪化を防いだり、緩和させるためのセルフケアとしては、以下が有効です。
- 正しい姿勢を心がける
- 運動習慣をつける
- 静的ストレッチ(筋肉をゆっくり伸ばして止めるストレッチ)を行う
- 体を冷やさないようにする
足を組む癖や片方の足へ体重をかける動作は腰や骨盤に負担をかけるため、注意しましょう。
ふくらはぎのしびれ・だるさについてのよくある質問

ここでは、ふくらはぎのしびれ・だるさについてのよくある質問を紹介します。
Q:ふくらはぎのしびれ・だるさが片足だけに起こる原因は?
A:片足のふくらはぎにだけしびれやだるさなどが見られる場合、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、腓骨神経麻痺、足根管症候群、梨状筋症候群などが考えられます。
Q:ふくらはぎのしびれを自分で治す方法はある?
A:一時的な筋肉の疲労や長時間同じ姿勢を続けたことによるものであれば、姿勢を変えたり、休むことでしびれが軽くなることもあります。
しかし、ふくらはぎがしびれる原因の背景に疾患が隠れている可能性もあるため、しびれが続く、繰り返す、徐々に悪化するといった場合は放置せず、医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。
まとめ
ふくらはぎのしびれ・だるさは、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった脊椎の病気のほか、血管のトラブルや内科的疾患が原因となって生じることもあります。
症状が長引く、繰り返す、痛みや筋力低下を伴う場合は放置せず、クリニックを受診して詳しい検査を受け、原因に合った治療を受けることが大切です。
「はるみクリニック」は、つくばエクスプレス八潮駅から徒歩1分、フレスポ八潮2Fにある整形外科・ペインクリニックです。
症状に合ったさまざまな治療法をご提案しておりますので、ふくらはぎのしびれやだるさ、痛みなどの症状にお悩みでしたら、一度お気軽にご相談ください。