朝起きると腰が痛い原因は?治し方・考えられる病気・受診目安

「朝起きると腰が痛い」「目覚めたときに腰が痛くて、動くと楽になる」など、朝の腰痛の症状にお悩みの方は少なくありません。

寝起きの腰痛には、睡眠中の姿勢や寝具、筋肉のこわばりのほか、日中の姿勢や運動不足など、さまざまな原因が考えられます。

また、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが影響している可能性もあり、放置すると悪化する可能性もあるため早めに原因に合った対処を取ることが大切です。

この記事では、朝起きると腰が痛くなる原因や考えられる疾患、腰への負担を軽減する方法、整形外科を受診する目安について詳しく解説します。

朝起きると腰が痛い原因

朝起きると腰が痛いときには、以下のような原因が考えられます。

  • 筋肉の緊張・血流低下
  • 生活習慣
  • 姿勢の悪さ
  • 冷え
  • ストレス
  • 椎間板の水分吸収
  • 疾患の影響

ここからは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

▶背中・腰の痛みについて

筋肉の緊張・血流低下(不適切な寝姿勢、合わない寝具、寝返りが少ない)

睡眠中に長時間同じ姿勢を取ると、背中や腰、お尻まわりの筋肉の血流が低下し、こわばりが生じることがあります。

特に、寝返りが少ない状態では身体の一部分に圧力や負担が集中し、起床時の痛みや重だるさにつながる場合があります。

寝姿勢や合わない寝具も、朝の腰痛に影響する要因の一つです。

朝は痛むものの、起きて身体を動かすうちに徐々に楽になる場合には、睡眠中の姿勢や筋肉のこわばりが関与している可能性が考えられるでしょう。

生活習慣

日々の生活習慣が腰に負担をかけている可能性も考えられます。

デスクワークや長時間の運転では座った姿勢が続くため、腰や椎間板に負担が蓄積されていきます。

また、運動不足になると腰を支える筋力や柔軟性が低下し、腰への負担が増えて腰痛が起こりやすくなるため注意しましょう。

姿勢の悪さ

猫背や反り腰なども、寝起きの腰痛に影響する要素です。

悪い姿勢が続くと背中や腰まわりの筋肉や関節へ偏った負担がかかり続け、緊張しやすくなって、腰痛につながることがあります。

冷え

寒い季節や冷房の効いた室内などで、腰まわりが冷えることで痛みやこわばりを感じることもあります。

冷えると血行が悪化し、筋肉が硬くこわばって、腰痛の原因になります。

ストレス

体への負担だけでなく、精神的な負担も腰痛に影響すると考えられています。

日本整形外科学会でも腰痛の原因として精神的なストレスなどの心理的要因をあげており、ストレスによる睡眠の質の低下、血流の低下などが影響している可能性が考えられるでしょう。

椎間板の水分吸収

椎間板は背骨と背骨の間にあり、衝撃を和らげるクッションのような役割を担う組織です。

椎間板には水分が多く含まれますが、日中は立ったり座ったりすることで荷重を受け、水分が押し出されていきます。

横になって寝ている状態では負担が軽くなるため椎間板が水分を吸収しますが、起き上がったときに圧力がかかることで、神経や靭帯が刺激され、腰痛が起こりやすくなるのです。

疾患の影響

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、変形性脊椎症などの疾患によって、朝の腰痛が引き起こされている可能性もあります。

また、尿管結石や腎盂腎炎、解離性大動脈瘤、胆嚢炎、十二指腸潰瘍などの内臓の病気や、子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科疾患でも腰痛が見られることがあります。

朝起きると腰が痛い症状が起こることがある疾患

ここでは、朝に腰痛が見られることがある主な疾患について解説します。

筋筋膜性腰痛

筋筋膜性腰痛は、腰を支える筋肉や筋膜などに負担が蓄積され、痛みが生じる状態です。

朝の腰痛の原因の中でも多く見られ、長時間のデスクワークや運転、中腰での作業をされる方、姿勢が悪い方、運動不足の方は筋筋膜性腰痛になりやすい傾向があります。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の間で椎間板が本来の位置から飛び出してしまい、神経を圧迫する疾患です。

腰痛だけでなく、お尻から脚にかけての痛みやしびれ、筋力低下などが見られることもあります。

腰部脊柱管狭窄症

神経の通り道である「脊柱管」が狭くなり、内部の神経が圧迫される疾患を腰部脊柱管狭窄症といいます。

腰痛、足のしびれ・痛みのほか、立ったり歩いたりすると脚の痛みやしびれが強くなり、前かがみになったり休んだりすると再び歩けるようになる「間欠性跛行」が見られることが特徴です。

腰椎すべり症

腰椎すべり症は腰椎が本来の位置から前後にずれ、神経根などを圧迫することで起こる疾患です。

加齢に伴って生じる「腰椎変性すべり症」とスポーツなどの影響で生じる「腰椎分離症(分離すべり症)」があります。

腰痛や足のしびれ、痛みなどが生じますが、軽度の場合は全く症状が出ないこともあります。

痛みは安静時は弱いものの、歩行時に強くなることも特徴です。

腰部変形性脊椎症

腰部変形性脊椎症は、主に加齢が原因で腰椎や椎間板が変形する病気です。

変形があっても症状がないこともありますが、進行すると腰の痛みや動かしにくさが生じることがあります。

仙腸関節障害

重いものを持ったり、不意の動作などで仙腸関節(骨盤の中央にある仙骨と左右の腸骨をつなぐ関節)に負担がかかると、炎症や機能障害が起き、痛みが生じることがあります。

腰というよりお尻周辺の痛みが中心で、片側の痛みとして現れることが多いです。

男性と比べて筋力が弱い傾向にあることから、女性に多く見られます。

ぎっくり腰(急性腰痛症)

ぎっくり腰(急性腰痛症)は重い物を持ち上げたり腰をひねったりした際に起こるイメージがありますが、朝起きた直後に発症することもあります。

腰の関節や椎間板への負担、腰を支える筋肉や靭帯の損傷などが関係すると考えられていますが、明確なきっかけがなく起こることもあり、はっきりした原因はわかっていません。

なお、「ぎっくり腰」は、突然生じる強い腰痛を表す一般的な呼び方で、特定の病名ではありません。

▶腰痛の主な原因・急性腰痛と慢性腰痛の違いについて

朝起きると腰が痛い!腰痛を軽減する対処法

毎日の生活を見直すことで、朝の腰痛の軽減につながります。

ここでは、自宅で取り入れやすい対処法を紹介します。

起き上がり方を工夫する

寝起きに腰が痛むときは、一気に起き上がろうとせず、以下の手順で腰に負担をかけないよう工夫して起き上がりましょう。

  1. 仰向けになり、両膝を立てる
  2. 起き上がる方向に両膝を倒して横を向く
  3. 両足をベッドから下ろす
  4. 肘や腕で支えながら上体を起こしてベッドに座る
  5. ゆっくりと立ち上がる

足の反動を使って勢いよく起きようとする動作は腰に負担をかけるため、注意してください。

起きてすぐの動作に注意する

起床後すぐに前かがみになったり、重い物を持ったりすると椎間板に圧がかかるため、避けましょう。

顔を洗うために洗面台へ深くかがむ、前屈みになって床にある物を拾うといった動作は、腰の負担になります。

5〜10分程軽く歩いたり、ストレッチで体を慣らしてから動き始めましょう。

就寝時の環境を整える

一日の約3分の1は睡眠であるため、就寝時の環境は非常に重要です。

ここでは寝姿勢・寝具・寝室環境の3つに分けてポイントを解説します。

寝姿勢の改善

一般的には、腰痛には横向き寝がいいとされています。腰への負担が少なく、寝返りもしやすいためです。

ただし、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合、横向き寝は坐骨神経痛やしびれにつながることもあるといわれており、注意が必要です。

仰向け寝は足を伸ばすと腰が反ってしまうことがあるため、仰向けで寝る場合は膝の下にクッションなどを置いて膝を軽く曲げると負担を軽減できます。

うつ伏せ寝は、お腹や腰が沈み込んで反った状態になり、腰の筋肉や関節に負担をかけてしまうため避けましょう。

寝具の見直し

マットレスや敷布団、枕などの寝具は、柔らかすぎても硬すぎても体に合わないことがあります。

柔らかすぎると寝返りが少なくなってしまいがちなので、ある程度の反発性があり、自然な姿勢を保ちやすいものを選びましょう。

温度・湿度・明るさの改善

寝室の温度や湿度、明るさなども睡眠環境を左右します。

暑さや寒さで何度も目が覚める環境では睡眠の質が低下するため、季節や体調に合わせて室温や寝具を調整しましょう。

冷房を使用するときは、冷たい風が直接当たり続けないようにすることもポイントです。

ストレッチやトレーニングを行う

腰痛の予防や改善には、ストレッチやトレーニングも有効です。

就寝時や起床時にできる簡単なストレッチを紹介します。なお、強い腰痛があるときは無理に行わないようにしてください。

【就寝時:腰の筋肉を伸ばすストレッチ】

  1. 椅子に座り、肩幅くらいに足を開く
  2. 息を吐きながらゆっくり腰をかがめ、背中を丸める
  3. 背中や腰が伸びるのを感じながら両手を下ろした姿勢を3秒キープする
  4. 元の姿勢に戻る
  5. ここまでを1〜2回繰り返す

【起床時:膝抱えストレッチ】

  1. 仰向けになり、片膝を抱えるようにして胸に引き寄せる
  2. 両手で片膝を抱え、息を吐きながら10秒キープする
  3. 反対側も同様に行う
  4. 左右3セットずつ行う

湯船に浸かる

シャワーだけで済ませることが多い方は、体調に問題がなければ湯船に浸かり、リラックスする時間をつくりましょう。

入浴によって体を温めることで、冷えによる腰痛の予防や改善につながります。

運動を習慣化する

体を動かさない状態が続くと、体力や筋力の低下につながります。

激しい運動を行う必要はないため、ウォーキング、サイクリング、ストレッチ、ヨガなど適度な運動を続けることを意識してみてください。

運動習慣がない方は、いきなり長時間行うのではなく、短い時間から徐々に身体を慣らしていきましょう。

腰に負担がかかる癖を見直す

長時間座り続ける、前かがみのまま作業する、腰を曲げた状態で重い物を持つ、片足に重心をかけて立つなどの動作は、腰に負担をかけます。

座った状態が長く続くときは定期的にストレッチを取り入れたり、立ったり歩いたりする時間を設けましょう。

朝起きると腰が痛いときの整形外科での治療法

朝の腰痛が続く場合、整形外科では問診・視診・触診や画像検査を行い、原因に合わせて治療方針を立てます。

主な治療法としてはリハビリテーション(運動療法・物理療法)や薬物療法(内服薬・湿布)、ブロック注射・トリガーポイント注射などがあり、複数の方法を組み合わせる場合もあります。

診察結果や痛みの程度、生活への影響などを確認し、一人ひとりに合わせた治療を行うことが大切です。

腰痛の改善や予防では、医療機関で受ける治療だけでなく日常生活で適切に身体を動かすことも重要なため、自宅での運動(ストレッチやトレーニング)の指導も行います。

腰が痛くなりにくい寝姿勢や工夫のアドバイスも受けられるため、つらい腰痛に悩んでいる方は相談してみてください。

朝起きると腰が痛いときに医療機関を受診する目安

痛みが続く場合や、繰り返す場合は、一度医師に相談することを検討しましょう。

そのほか、以下に当てはまる場合はできるだけ早く医療機関を受診してください。

  • 脚にしびれ・麻痺・力の入りにくさがある
  • 排尿・排便の異常がある
  • 安静にしていても痛む・徐々に悪化する
  • 発熱・嘔吐・血尿など他の症状がある
  • 転倒・事故後に強く痛む

まとめ

朝起きると腰が痛いときに考えられる原因には、寝姿勢や寝具、筋肉のこわばり、日中の姿勢や運動不足などが考えられます。

また、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが隠れている可能性があり、痛みが続く場合や繰り返す場合は、放置せずに医療機関で相談することが大切です。

八潮駅から徒歩1分の「はるみクリニック」では、腰痛に対して問診や診察、必要に応じた検査を行い、症状に合わせて薬物療法やトリガーポイント注射、ブロック注射、理学療法などを行っています。

朝の腰痛が続いている方や、起き上がるときの痛みでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。